子どもの近視進行は、家庭での様子見だけでは進行速度を把握しにくいものです。低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーといった進行抑制治療は、いずれも眼科医の診断と処方が必要な医療行為です。まずはチェックリストで受診の目安を確認しましょう。
受診を検討すべきチェックリスト
当てはまる項目が多いほど、眼科での相談を検討する目安になります
- □ 半年〜1年で急に度数が進んでいる
- □ 両親のどちらかが強い近視である
- □ スマホ・タブレットの近距離作業時間が長い
- □ 屋外で過ごす時間が1日2時間未満である
- □ 黒板の文字が見えにくいなど、学校生活で支障が出ている
近視進行の仕組みと治療の選択肢
近視は、眼球の前後方向の長さ(眼軸長)が伸長することで、光が網膜の手前でピントを結ぶようになる状態です。成長期の子どもは眼軸長が伸びやすく、近距離作業の多さなどが進行に関わるとされています。現在、医療機関で提供される主な進行抑制治療は次の2つです。
| 治療法 | 内容 | 月額費用目安 |
|---|---|---|
| 低濃度アトロピン点眼(0.01%) | 就寝前に1日1回点眼。国内では医療用医薬品として未承認のため、自費診療で処方する施設が中心 | 500〜1,500円 |
| オルソケラトロジー(OK) | 特殊なコンタクトレンズを就寝中に装着し、角膜形状を一時的に矯正する | 5,000〜15,000円 |
複数の研究で、いずれの治療法も一定の近視進行抑制効果が報告されています。ただし効果には個人差があり、両者を併用することでさらなる抑制効果が報告されている研究もあります。どちらが適しているかは、お子さんの年齢や自己管理能力、ライフスタイルによって異なるため、眼科医との相談が前提になります。
家庭でできるセルフケア
医療機関での治療と並行して、生活習慣の見直しも近視進行対策の一つとされています。
- 屋外活動時間の確保:1日2時間程度の屋外活動が、近視進行の抑制と関連するという報告があります
- 近距離作業時の休憩:20-20-20ルール(20分ごとに20秒、遠くを見る)を習慣にしましょう
- 読書姿勢の見直し:目から30cm以上離す、正しい姿勢を意識しましょう
- 十分な睡眠時間の確保
生活習慣の改善だけで進行が止まるとは限りません。治療を検討している場合は、生活改善と併せて眼科医に相談することが基本です。
受診の目安・医師に相談すべきサイン
以下のような場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします。
- 視力検査で急激な低下が見られた
- 黒板や遠くの文字が見えにくいと本人が訴えている
- 両親のどちらかが強度近視で、遺伝的なリスクが気になる
- 治療(アトロピン点眼・OKレンズ)を検討したい
治療を開始した場合も、3〜6ヶ月ごとの定期受診で進行状況を確認することが基本です。眼科医の指導のもとで、正しく継続することが大切です。
まとめ
子どもの近視進行抑制には、低濃度アトロピン点眼とオルソケラトロジーという2つの医療的選択肢があります。いずれも眼科医の診断・処方が前提の治療であり、家庭だけで判断するものではありません。
屋外活動の確保など生活習慣の見直しと合わせて、気になる症状があれば早めに眼科医に相談してみてください。