40代を過ぎると多くの方が「近くが見づらい」老眼を経験します。コンタクトレンズを使ってきた方にとって、老眼が加わることでレンズ選びが複雑になります。遠近両用コンタクトレンズは、遠くも近くも1枚のレンズで見えるように設計された製品です。この記事では仕組みから選び方、慣れるまでのコツまで詳しく解説します。
老眼とコンタクトの関係
老眼(老視)は、目のレンズ(水晶体)の柔軟性が加齢とともに低下し、近くにピントが合いにくくなる状態です。通常40歳前後から始まり、60代までゆっくりと進行します。近視があってコンタクトで遠くを矯正している方は、レンズを装用したまま近くを見ようとしてもピントが合わず不便を感じるようになります。
対策としては①コンタクトの上から老眼鏡をかける ②利き目用と近方用でモノビジョン処方にする ③遠近両用コンタクトを使う の3つがあります。眼鏡なしで過ごしたい方には遠近両用コンタクトが最も自然な選択肢です。
遠近両用コンタクトの仕組み
遠近両用コンタクトレンズには主に2つの光学設計があります。
同時視(同時視型)
遠用・近用ゾーンが同心円状に配置され、脳が必要な距離の像を自動選択する。最も普及している設計。慣れれば快適だが慣れるまで時間がかかることも。
代表: アキュビュー バイフォーカル、デイリーズ AquaComfort Plus マルチフォーカルなど
交互視(モノビジョン)
利き目を遠用、非利き目を近用に処方する方法。脳への訓練が必要で奥行き感が変わることがある。
代表: 通常のシングルビジョンレンズを用途別に使い分け
同時視型の場合、遠くを見るときは瞳孔を通る光の中心部(遠用ゾーン)を、近くを見るときは周辺部(近用ゾーン)を自動的に使います。明るい環境では瞳孔が小さくなるため遠くが鮮明に、暗い環境では瞳孔が開くため近くも見えやすくなります。この仕組みに脳が適応するまで、1〜2週間程度かかることがあります。
ワンデーvs月ケア型の比較
| 項目 | ワンデー(1日使い捨て) | 2week/マンスリー |
|---|---|---|
| 衛生面 | ◎ 毎日新品 | ○ ケアが必要 |
| コスト | △ 1日あたり高め(60〜120円/日) | ○ 安め(20〜40円/日) |
| ケアの手間 | ◎ 不要 | △ 毎日洗浄必須 |
| 老眼対応の選択肢 | ○ アキュビュー オアシス MDなど | ○ エアオプティクスAquaなど |
| 慣れやすさ | ○ 同等 | ○ 同等 |
おすすめブランド・シリーズ比較
アキュビュー® オアシス® マルチフォーカル
J&J | 2week | 約3,000〜4,000円/箱
シームレスな光学設計「ライフスタイル デザイン」採用。PC・スマホ作業が多い方に人気。
デイリーズ® トータル®1 マルチフォーカル
アルコン | ワンデー | 約3,500〜4,500円/箱(30枚入)
水分含有量78%の超含水設計。1日中快適な装用感。同時視型の上位モデル。
バイオフィニティ マルチフォーカル
クーパービジョン | マンスリー | 約3,000〜3,800円/箱(6枚入)
バランスドプログレッシブ技術で自然な視界。低コストでシリコーンハイドロゲル素材。
メダリスト マルチフォーカル
B&L | 2week | 約2,500〜3,500円/箱(6枚入)
3ゾーン光学デザインで遠・中・近のバランスが取れた見え方。コストパフォーマンスが高い。
慣れるまでのコツと注意点
遠近両用コンタクトは装用当初、視力が完全でないと感じることがあります。これは脳が新しい光学設計に適応するまでの過程であり、通常1〜2週間で改善します。焦らず徐々に装用時間を伸ばしていくのがコツです。
慣れるためのステップ
- 最初の1〜2日:午前中2〜3時間だけ装用し、見え方を確認
- 3〜5日目:4〜6時間装用。様々な距離でのピント合わせを意識的に行う
- 1週間後:フルタイム装用へ。PC・スマホ・運転など様々なシーンで試す
- 2週間後:不満点を整理して眼科へ。度数の微調整が必要なこともある
夜間運転時にハロー(光の周辺部のにじみ)やグレア(まぶしさ)を感じる方がいます。特に同時視型レンズでは光の分散が起こりやすく、夜間運転が多い方は眼科医に相談してモノビジョン処方や度数調整を検討しましょう。